うつ専門カウンセラー澤登和夫(通称さわとん)の講演、カウンセリング

反響多数:うつ病の息子を支えた母親の体験記(全8回)

「人生やめたい」という人にかけている言葉は?

 
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澤登和夫(さわとん)
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「人生やめたい」という人にかけている言葉は?

と質問頂いたので書きます。
心の底から伝えられることはたった一つです。

この15年間、こうした声に向き合ってきました。対面で、電話で、メッセージやチャットで。個人としてもそうだし自殺対策支援センターの職員として相談を受けていた時もあります。昨日も初めての方からメッセージ頂きました。

そういう人にどのような声をかけているのか。

それは、ほんとその時々で違うんです。

しんどい中伝えてくれてることへの感謝はほぼ毎回伝えるけど、

あとはただただ、うなずいてるばかりの時もあります。

ゆっくりと諭すように伝えることもあります。

いろいろ質問していくこともあれば
ほとんど質問しない時もあります。

「ぼくは死んで欲しくない!」みたいにお互い涙流しながら出し合う時もあります。

流れ次第で家族の話になる時もあれば
ペットの話になる時もあります。

自分の体験を話す時もあります。

必ずこれを伝えているということはないんです。
その人と向き合わないとわからないんです。
肌で感じないとわからないんです。

そりゃ知恵も使うし頭をフル回転することもあるけど
でも、最後はそれを越えるところで。
自分が感じたままに出す。在る。
まさにど真ん中とど真ん中。

言わない言葉はあります。

「生きてればなんとかなるさ」

みたいなことは基本言いません。
今抱えている辛さが自分的にわかるから。
生きててもなんとかならない、という体験を経て今ここにいる人が多いから。

「死ぬ勇気があれば何でもできるよ」

は絶対言いません。それとこれとは全く別。
ぼくもそうだったから。

だから何を伝えるって決まってません。
伝えたことがそれでいいのかも経験上ある程度わかるけど
本当の意味ではわかりません。

そんな中で、ぼくが心の底から言えることはたった一つです。

それは

「ぼくは今、生きててよかった」

ってこと。

マンションの最上階から飛び降りて
結局骨折だけですんで生きることになったけど、

病院のベッドでは「なんで失敗したんだ」って思ったし、生きててよかったって深く思えるようになるまでには1年以上かかったけど、でも心から言えるようになった。

生きててよかった。

生かされてよかった。

あの時、死ななくて本当によかった。

失敗してよかった。

これは心の底から言える。

これを伝えるかどうかもその時々だけど、ただただ、ぼくは生きててよかった。生かされてよかった。心から伝えられるのはそれだけです。

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