【ちょっと待った!】うつの人に頑張れと言っちゃいけないって、なぜ?ホントに?
ぼくは10年以上、うつ専門カウンセラー、講演会の講師として活動してきました。
ゲートキーパーの講演会などで
「うつの人に言っちゃいけないNGワードって何ですか?」
と質問することがあります。
そうすると、
「頑張れ」
「頑張れって言っちゃいけない」
と。
これはかなり多くの方が知っています。
うつの知識はあまりなくても、なぜ「頑張れはNG」だけは浸透しているのか個人的にはびっくりなのですが、今日はこの
「うつの人に頑張れって言っちゃいけない」
について考えてみましょう。
なぜ、うつの人に頑張れって言っちゃいけないの?
では考えてみましょう。
なぜ、うつの人に頑張れって言っちゃいけないのでしょうか。
「頑張れ」って言われたうつの人は何を思うのでしょうか。
人それぞれではありますが、こんなことを思う人が多いです。
「頑張れってことは、自分は頑張れてないんだ。自分なりに頑張ってるつもりなのに。。」
こう思って、さらに自信をなくして自責の念が強くなったりします。
その人なりに何とか外に出たり、何とか1日を生きたり、頑張っている中での「頑張れ」が自分を否定されたような気持ちになる。。
今の自分がダメなんだ、と思ってしまう。
なんとなく想像できるでしょうか。
ということで、あまり「頑張れ」や、励ましは良くないと言われます。
ぼくのうつの時の経験としても、確かに「頑張れ」と言った言葉で落ち込んだりしたことがあります。
事実:「頑張れ」という言葉がきっかけで元気になった人もいる
ぼくはうつから元気になった方ともたくさん接してきましたが、実はその中でこういう方もいました。
「ぼくがうつから元気になったきっかけは、「頑張れ」と言ってもらったことなんです」
頑張れと背中を押してもらった、それが有り難かったと。
さっきとは真逆ですよね。
だから、一概には言えないわけです。
やはり、「誰に」言われるか、「いつ」言われるかなどで違うこともありますよね。
極端に言えばこの頃ケンカばかりしてる旦那さんに「頑張れ」って言われるのと、憧れの福山雅治さんに「頑張れ」って言われるのでは、、、違いませんか。
やっぱりうつだってめちゃくちゃしんどい時もあれば、今は動きたいぞ頑張るぞ〜みたいな時もある。そんな時に背中を押してもらうことで一歩が踏み出せることもあります。
だから、本当に一概に言えないわけです。
コミュニケーションに絶対なんて無い
ぼくが一番言いたいことはこれです。
「コミュニケーションに絶対なんて無い」
うつの方どうこうに限らず、この言葉を言えば必ずうまくいく、絶対にいい関係になる、なんてありません。
相手にもよるし、タイミングにもよります。
うつの時はどうしても神経が敏感になるので「あっ、この人、いつも気軽に声をかけてくれるのに気を使ってるな」って言うのがわかって、逆に落ち込むこともあります。
であれば、いつも「頑張れ」と声をかけている人はいつも通り「頑張れ」でもいいのではないか、ぼくはこの考えも正解だと思っています。
うつの人の場合は、その時々で波が激しいことも多いので、昨日は喜んでくれたことが今日は逆に傷つけてしまった、なんてこともあります。
ぼくも何回も失敗してきました。何度も謝ったことがあります。
色々とトライアンドエラー、ぼくの言葉で言う「自分実験」をしながら、何となく感覚でこれがいいなってわかっていきました。あえて「頑張れ!」と言うことだってあります。
そんなことをやりながら信頼関係を積み上げていくのだと思います。
いつどんな時も誰にとっても正解というものは無い、ぼくはそう思っています。
まとめ& YouTube
「じゃぁどうしたらいいんだ」なんて言われるかもしれませんが、ぜひ自分がやってみた感覚を大事にしていきましょう。
どれも正解です。どれが間違いなんて簡単に言えません。
こうして考えていること自体が素晴らしい。
そしてこの気持ちも含めて伝わっていく、ぼくはそう思っています。
YouTubeでもこの内容のことをお伝えしています。動画や音声で再度聞くとまた違う気づきもあるかもしれません。
こちらの著書にもうつの時の気持ちなど書いてます。