【講演会の内容】ゲートキーパー5つの役割(5)見守る
今日は「ゲートキーパー」の役割5つ目「見守る」です
これまで
【講演会の内容】ゲートキーパー5つの役割(2)声をかける
についてお伝えしました。
今日はゲートキーパー として大事な
1)気づく
2)声をかける
3)話を聴く
4)つなげる
5)見守る
の中で 5)見守る についてお伝えします。
(※上記5つは国がゲートキーパーとして大事だと伝えていることで、個人的には「自分との関係性」など他にも大事だと思っていることがあり、別途お伝えしています)
「見守る」とは「信じる」こと
見守る、、、これまでの声をかける、話を聴くとなどとは違って、少し消極的な感じもしますよね。
しかしこれ、とても大事なことだと専門的にも自身の経験的にも思います。
ある程度必要なこと、緊急的なことをしたら、あとは適度な距離をとって見守る、ということです。
「見守る」という言葉、ぼくは「信じる」ということかなと思っています。
その人には元気になる力がある、元気になれる、と信じる、ということです。
例えば骨折した時は松葉杖が必要ですが、ある程度歩けるようになればもう松葉杖は必要ありませんよね。
あとは骨がくっつくのを信じながら見守っていれば、それで十分かもしれません。
その人からSOSが出た時にまたすっとサポートできたらいいかもしれませんね。
悩んでいる人は、調子が良くなったり悪くなったりするのは当たり前です。誰だって波があるように、調子が悪いとさらに波の高低が大きくなります。あまりその波に一緒に一喜一憂せずに、冷静に受け止めることも大事です。24時間ずっと一緒にいることもできませんしね。
あまりサポートをしすぎると「あれもこれも」と希望が増えて依存関係になってしまいます。それは自立の妨げにもなります。
子どもの成長と同じで、適度な支えが大事になります。
ぼくが5年半のうつから元気になったきっかけ。母親の衝撃の行動とは
具体的な話がある方がわかりやすいと思うので、母がぼくにしたサポートの話をします。
こちらがお寿司大好きな母です。
ぼくはうつがひどい時、離婚したこともあって実家で両親と暮らしていました。
そして母がぼくにとった行動は前半と後半で大きく違いました。
前半の数年間は、とにかく元気になってほしいと、うつの本を隠れて何冊も読んだり(ぼくにはバレているのですが)、うつに良さそうなサプリメントを買ったり、ちょっと怪しい宗教っぽいところに連れて行かれたりと、色々な方法が出てきました。親だったので「うざいなぁ」と思い口喧嘩したことも多々ありましたが、今思えばありがたかったとは思います。
そんな母が数年経った頃から、「見守る」に変わっていきました。中でもとても印象的だったことがあります。
ぼくが自殺未遂をした後で、まだ一緒にいた方がよかった頃にこう言ったのです。
「これから一人カラオケ行ってくるね」
えっ?ぼくは「このしんどい俺を置いて遊びに行くのかよ」って正直思いました。
イライラもしたのですが、一方でちょっと嬉しい感覚もあったのです。
「あぁ信じ始めてくれたのかな」って。
ぼくが元気になることを信じ始めてくれた。
それまでは、なんとか元気になってほしいと色々なことをしてくれたことが逆に言えば「俺って、このままじゃダメなんだな」「うつの俺はダメなんだな」って、無意識に受け取っていたようにも思います。母も決してそんなつもりではないですが。
それが、母が一人でカラオケに行ったことで、逆にぼくも吹っ切れたところがあったのです。
「このままでもいいのかな」
って。少し気持ちが楽になりました。
決してこれだけが原因ではありませんが、このことはそれから数ヶ月でうつが解放へと向かっていったことに大きな影響があると思っています。
信じて見守り始めてくれたこと、それは当時のぼくにとってとても大きいことでした。
まとめ &YouTube
見守る、とは、手を出さないことでもあります。
結構手を出す方が簡単だったりもするんですよね。
これは自分と向き合うチャンスでもあります。
ちょっと勇気を持って信じて見守る、やってみませんか。
YouTubeでも同じテーマで話しています。きっとまた文章とは違うヒントがあると思います。
次回は、番外編 についてお伝えします。
こちらに続きます。
【講演会の内容】ゲートキーパー5つの役割(番外編)”自己寄り添い力”を高めよう
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