うつ専門カウンセラー澤登和夫(通称さわとん)の講演、カウンセリング

反響多数:うつ病の息子を支えた母親の体験記(全8回)

【寄り添うとは】うつの時に言われて嬉しかった言葉。苦しかった言葉。

 
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今日のブログでは、ぼくの講演会でよく話す話の中で、一番感想が多い話の一つをお伝えします。

ぼくは5年半、うつで苦しんだ経験があります。

ついには、マンションの最上階から飛び降りたこともあります。

【実録】マンションの最上階から飛び降りた時、心底思っていた2つの気持ち

うつでしんどい中で色々な人とやりとりしましたが、その中でも印象に残っている

1)うつの時に言われて苦しかった言葉

2)逆にうつの時に言われて嬉しかった言葉

についてお伝えします。

 

うつの時に言われて苦しかった言葉

それは、親友だと思っていた人に思い切ってうつのことをカミングアウトした時のことです。

「俺、実はうつになっちゃったんだよ」

というように話した時、彼はぼくの話をあまり聞くことなく

「あぁうつかぁ。大変だな、わかるわかる」

という感じでぼくに言いました。

これが当時のぼくにとっては辛かったのです。

つまり、とても軽く「わかる」と言われた気がしたんですね。

言葉には出しませんでしたが

「お前本当に俺の気持ちわかってるのかよ」

って思いました。

「わかる」という言葉で逆に距離を感じてしまったのです。

 

うつの時に言われて嬉しかった言葉

逆に嬉しかったのは、当時の上司にうつのことを話した時です。

その上司はぼくにこう言いました。

「澤登、正直お前のうつの気持ちは俺にはわからない。

俺はうつになったことがないからお前の気持ちはわからない。

でも、お前に元気になって欲しいと心から思ってる。

だから、うつで何が苦しいのか教えてくれ。

何をしたら嬉しいのか教えてくれ。

わからないから教えて」

って言われました。

うつになったことがない方だけど、この方は味方だなって思いました。

上司だけど、同じ目線に降りてきてくれた感覚がしました。

距離の近さを感じ、その上司だけには「今日は調子が悪いです」といったことを素直に言えたのです。

「わからないから教えて」ってなかなか言えませんよね。

わからなくてもごまかしたりわかったふりをしたりってありませんか。ぼくもよくありました。

だからこそ、「わからないから教えて」と言ってくれた勇気、これがとても嬉しかったのです。

「いつでもしんどい時は言って欲しい、SOSを出して欲しい」とよく言われますが、そのためには、その人自身が「わからない、ということを素直に伝える」ということも大事なのかもしれません。

 

寄り添うとは

よく、悩んでいる人を支える上で

「寄り添う」ことが大事だと言われます。

「寄り添う」って良さそうな言葉ですが、寄り添うってどういうことなんでしょうか。

ぼくは、その定義はそれぞれでいいと思っています。

その中で、ぼくの上司が言ってくれたように

「わからないから教えて」

と伝えることも、寄り添うことの一つだと思います。

「わからない前提で、わかろうとする」

ってことですね。

人の気持ちなんてわからないですからね。

ぼくだってうつの人と何年も接してきたけど、その人の気持ちでわかることなんてほんの少し。

「わからない前提で接する」

これも大事な寄り添うの一つだと思います。

あなたにとって、寄り添うとは何ですか?

 

まとめ& YouTube

決して「わかるよ」がダメだってことじゃないです。

タイミングにもよりますし、誰が伝えるかにもよりますよね。

「わからないから教えて」

一度意識して自分実験の気持ちで伝えてみませんか。

それだけでその人との距離だけじゃなく、それが言えた自分との距離も深まるかもしれませんよ。

 

YouTubeでもこの内容のことをお伝えしています。動画や音声で再度聞くとまた違う気づきもあるかもしれません。

動画で出てきた著書はこちらです。

ありがトン(サンマーク出版:中古のみ)

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